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会長挨拶

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三障害統合化

平成17年の7月、当時の「三障害統合化」という大きな流れに乗って、障害者協会を作ることになり、9月22日に設立総会を開催しました。
先を走っていた身体系の団体と、それを追いかけていた知的系の団体と、まだまだ遅れていた精神系の団体、いわゆる三障害の団体が集まるという画期的なことが保守的な静岡市で起こったのは、実は行政からの依頼があったためです。つまり、当時の政令市の必須事業であった「障害者社会参加推進センター」を政令市になったばかりの静岡市から委託を受けて、10月から始めることになりました。そのときは事務局長という立場でした。
それ以降、いろいろなことがありました。詳しくは、沿革をご覧ください。

三障害以外の団体、例えば難病の団体も会員になり、弱小の団体も入っています。私たちマイノリティはまず声を上げることが役割です。また、声の出せない団体の代弁をすることも。私たちは災害時にも誰一人として取り残されない社会を目指していますし、犯罪に巻き込まれる障害のある人たちの支援もしようとしています。行政からの委託事業は、今は障害者相談支援推進センターという名前になり、相談をベースに課題を解決しようという「障害者自立支援協議会」の市全体の大きな仕組の中核に位置します。

最近、国は「地域共生社会」とか「断らない相談」とか、いろいろなスローガンが出てきます。静岡市もSDGs(エスディージーズと読む)をアピールし、その前提には「誰一人として取り残さない社会」がスローガンです。この動きには賛成ですが、各企業や団体の具体的な動きについては少し疑問があります。私たちは、表面的な取り繕いではなく、現実に向き合うことから始めています。

私たちは、限られた資源の中で、つまりお金がない、人材が少ない中で、取り組んでいますが、民間としての私たちの認識は、行政も民間も十分できていないことが多いのが実感です。ただ、行政は公にはやるべきことはちゃんとやっているとおっしゃいます。果たして結果に十分表れているか、謙虚な姿勢で見つめるべきです。将来、どんな社会がいいかを見据え、今、何をすべきかを考えて、現実の課題に向き合っていこうと考えています。「私たち抜きで私たちのことを決めないで」が、障害者人権宣言のテーマですが、静岡市の障害福祉施策の分野ではこの10年の実績を考えると、私たちを無視することは難しくなってきているのではと思っています。ただ、私たちの声を反映した計画や施策が展開できているか、福祉の水準はどうか、市民の意識はどうか、というと、まだまだだと思っています。

多様化した価値観を認め合い、相互に尊重し合う社会が理想です。障害のある人たちが障害のない人たちと一緒に暮らす社会は、障がいのある人たちがあげた声を、聴く障害のない人たちがいて、一緒に考えるという体制や仕組みにならないと、実現しないと思います。まだまだ、地域で共生できているとは言い難いのが実感です。
この認識に共感いただける方と、理想的な社会に向かって一歩ずつ取り組んでいくのが、私たちの使命であり、責任だと感じています。ご支援をよろしくお願いします。

会長:牧野善浴